図書館の子どもの本の会で、今年のお勧めの本ということで紹介されている方がいました。
バングラディシュの子どもたちはどんな生活をしているのか?情報過多な時代ですが、知らないことの方が多いですよね。
リキシャとは、自転車で車を引く人力のタクシーのようなものです。
10歳を過ぎた男の子は家族の労働力としてリキシャを引く子もいるのです。
主人公の少女・ナイマの友だちの少年・サリームもリキシャを引いています。
同じ年でも性差で仕事や役割が区分されていく理不尽さや、学費を支払わなければ学校へ行けなくなることなど、日本とは全く違っていることばかり。
ナイマが働きすぎの父を心配して何か生活の助けになることをしようとするのが健気でした。
高度成長期以前の日本でも家族の生活を助けるために働く子どもたちはたくさんいたのでしょうね。
生活がかかっているだけに状況はシビアでありながら、ナイマが失敗しても父母はとても優しくナイマを見守る点が素晴らしいなあと思いました。
バングラデッシュより生活が豊かである日本の方が家族関係についてはギスギスとしている点があるのかもしれません。
生きること、仕事をすること、家族を思うことなどこの本が投げかけるものは多いと思いました。
最後は涙なしには読めませんでした。
巻末にはサリーの巻き方やバングラデッシュの風習についても詳しい説明があります。