「かっぱとひょうたん」 ママの声

西山三郎さんの絵なので、絵を見ただけで「あぁ、昔話〜」という雰囲気を醸し出しています。
表紙絵のかっぱが背中につけているたくさんのひょうたん、いいですね〜。
さて、このタイプの昔話は各地にいろいろと姿を変えて残っていて、かっぱの代わりに「娘」を連れて行こうとするのが、へびだったり大がえるだったりします。
見やすく読みやすく、テンポのいい作品でした。
入りがちな展開ですが、そこがまた安心して読めてよかったです。
5，6歳くらいから小画工高学年くらいの子さんたちにお薦めです。
内容的に田植えの時期くらいが一番雰囲気がつかめそうな気がします。

田んぼに水を入れるために、かっぱと娘を結婚させる･･･なんて、考えただけでも恐ろしいことですが、昔話としては、神に供物として若い娘を捧げるというようなものだったのかもしれませんね。

悲壮感を感じる難題を末娘の知恵で軽やかに痛快に解決するところが、すっきりしていていいなぁと思いました。

ほるぷ出版の「幼児みんわ絵本」シリーズの１冊です。

田んぼに水が来なくなってこまってしまったしょうやどんが、かっぱに頼んで水を流してもらいます。その見返りにかっぱが要求したのは・・・

典型的な日本昔話です。ちょっとはずしたお父さんと、美人三人娘。賢く優しいのは末娘。かっぱがかわいそうなのですが、最後はめでたしめでたし。

典型的すぎて、大人には先が読めてしまうのですが、昔話をあまり読んでいない子供達にはかえって新鮮かもしれません。日本語のリズムもよくて、子供だけでなく、母も途中まで覚えてしまいました。これは、翻訳物にはない楽しみです。また、歌がいくつかあるのですが、これも調子がよくて、我が家では勝手にメロディをつけて歌っていました。
西山三郎さんの切り絵も素敵です。