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大恐慌のさなか、家の経済的な事情で親戚のジムおじさんのパン屋で働きながら暮らすことになった女の子、リディアのおはなしです。リディアの書く手紙だけで構成されたスタイルが、想像力をかき立てます。 リディアは得意のガーデニングでパン屋のお店を花いっぱいにして、店も大盛況。はじめは殺風景だったページが、リディアの育てた花のおかげでどんどんと明るくなり、周りの人たちまで笑顔になっていく様は、見ていて幸せな気分になります。「4月の雨は、5月の花をもたらす」「ガーデニングに終わりなし」などの素敵なセリフにもうきうきしました。 決して笑わなかったおじさんが、1000回ニッコリするのと同じプレゼントを贈ってくれたシーンでは、感動して思わず涙が出てしまいました。この本大好きです。
投稿日:2012/08/01
この絵本の文章は、主人公の女の子・リディアが書いた手紙だけ。 けれど、手紙ならではの素直な言葉と、広がりのある背景の優しい絵から、 多くの文章よりもずっと、様々な状況や彼女の気持ちが伝わってきます。 生活が苦しいとはいえ、女の子がたった一人で親戚のおじさんの家で暮らすなんて、 心細く、不安でしょうに、リディアはちょっとできすぎた位の女の子。 それを周りに心配させまいと健気にふるまい、 いつも笑わないおじさんのためにある計画を進めます。 リディアがこんなふうに振舞えるのは、 おばあちゃんとのガーデニングで、 心をこめて、手をかければ、花が咲く、 その花を見ていると自分も笑顔になる という喜びを体験していたからではないでしょうか。 「美しいものについて、今まで教わったことをぜんぶ思い出して作りました」 この手紙を読んだ時、おばあちゃんは胸がいっぱいになったのではないかと思います。 ページをめくるうちに、リディアの周囲の人達と同じように、 私もまた、リディアの明るさ、生命力、優しい気持ちに巻き込まれていきました。 だから、ラストシーンの絵はもう、たまりませんでした・・・。 今の状況も、この絵本と同様あまり明るいものではなく、 私自身、漠然とした不安があります。 でも、自分の不安にばかり目をむけていないで、 にっこり笑って、できることがあるのでしょう。 子ども達の笑顔のために、リディアのようにありたい、と思います。 実際には子ども達から元気をもらっていることが多いのですがね。 残念ながら、息子達には少し難しかったようです。 小学校中学年位(私のリディアのイメージは10歳位)から、 大人の方におすすめです。
投稿日:2011/09/12
表紙の構図が興味深かったのでこの絵本を選びました。主人公が抱えている鉢に咲いた花が美しかったのでうっとりしました。極秘に自分の計画を進める主人公が格好良かったです。自分の幸せは人の幸せだと感じられる主人公の心に感動しました。主人公がどんどん人の心を掴んで幸福にしていく課程が良かったです。最後の文字のない場面が特に極上でした。
投稿日:2010/03/30
文章の全てがリディアからの手紙という構成。その文面からリディアの 優しさがあふれ出ています。 暮らし向きのよくないリディアの家では、街でパン屋を営むおじさん に一時リディアを預けることになりました。 いつも眉間にしわを寄せ、無口なおじさんを笑顔にするために、 リディアは周りの人たちの協力を得てガーデニングに励みます。 お金をかければ、いくらでもお店も家もお花で美しく飾ることが 出来るでしょう。 でもリディアは、壊れたもの・いらない物、おばあちゃんの種・苗、 近所の人からもらった物など工夫してのガーデニングに勤しみます。 しかも都会で土を探すのってほんとに大変。 だからこそ、咲いた花たちも愛おしい。 おじさんの柔らかくなった表情は私の心も温かくしてくれました。 最後に、家に戻る事になったリディアですが、たまにおじさんに 会いに来て欲しいですね。
投稿日:2010/02/08
こちらのレビューを見て、図書館でさがし読みました。 世界恐慌時代のアメリカのお話。 父親が失職したのか、町でベーカリーをしているジムおじさんに預けられたリディア。 店の手伝いをしつつ学校にも通わせてもらっているリディア。 でも、ジムおじさんにはいつも笑顔がありません。 家にいた頃から、花を育てる楽しさを知っていたリディアは…。 生活が困窮している状態では、だれも花を飾ったり絵を鑑賞しようなんて思いもおよびません。 ジムおじさんの不機嫌な顔は、世を憂いてのことと思います。 子どもなりに、親には心配をかけぬよう、おじさんには笑顔を取り戻させようとする様子が、手紙の形をとって読者に伝わってきます。 一見快活でポジテイブな性格に見えるリディアは、これまで花を愛することをおばあちゃんからおそわり、繊細な心配りを身につけてきたように思われます。 リディアの秘密の計画が、着々と進みおじさんの家の様子が変わっていくところが、素敵です。 彼女の存在が、花と共に周囲の人を明るくしていく終盤が読んでいて 心地よかった。 プラットホームのシーンは、涙ぐんでしまいました。 オーチス(猫)が、「こういうことになったか」と、見返し(後ろ)を見て、「良かった良かった」と息子。 子どもの明るさと、育てる人の懸命さを裏切らない植物は、大人の心に灯をよみがえらせるパワーがあるんだと改めて思いました。
投稿日:2009/10/24
手紙で進むお話。 リディアは自分の家の状況もよくわかっていて、大好きなおばあちゃんとも 離れて、どんな人かも知れないジムおじさんのところへ行く。 しかも迎えに来たおじさんはにこりともしない。 普通に考えれば、沈み込みそうな立場に立たされてるのに、 このリディアの明るさはすごい。 リディアが明るく振る舞えるのは、ジムおじさんは笑わないけど、 その奥の温かい心は通じているからかもしれません。 書いた詩を胸ポケットに入れてトントンと叩くなんて、喜んでいる 仕草ですものね。 なによりもこの絵本が素敵!と思ったのは、この絵。 その人との関係が絵から伝わってきて、広さを感じます。 見返しや裏見返しまでいっぱいに使って、のびのびと庭仕事をしている リディアが描き込まれていて、一度読んだだけで大好きな絵本になりました。
投稿日:2008/05/03
娘がとても気に入って、何度も読みました。こういう本に出会えると、大変うれしいです。 家庭の事情で、気むずかしいおじさんにお世話になるというのは、気持ちの沈む環境であるはずです。でも、リディアは、前向きです。リディアは自分の人生になくてはならないものをもっているからでしょうね。 殺風景だった屋上を見事な庭園に仕上げて、おじさんから笑顔をひきだします。 ガーデニングを通して、あたたかい心の交流が生まれました。お父さんの仕事も見つかり自分の家に帰れるリディアを見送る駅で、おじさんがリディアをぎゅっとだきしめるラストシーンには、ほろっときます。 リディアのガーデニングのよき支援者のおばあさん、この方の存在は大きいです。
投稿日:2016/09/28
ガーデニングが大好きなリディアが、 殺風景だったおじさんのお店(パン屋さん)を 色とりどりの花で、どんどん素敵に変えていくお話です。 お父さんの仕事が見つからなくて、家計が苦しいため、 リディアは一人、おじさんの家に行くことになります。 一人で駅に着いたときのリディアの気持ち。 お父さんに仕事が見つかって、また家族で暮らせることになりました。 駅をたつリディアと、見送りにきてくれたおじさん達。 どちらも泣けます!! 素敵な人ばかり登場する、あったかい絵本です。 今の日本にピッタリすぎるのもツライのですが、 まさに求められている絵本だと思います。 子供は、リディアが育てた花が咲き乱れているページが大好きで、 「さいしょは、散らかってて、、、こんなだったよね!」 と、ページをめくって比べっこしたり、 お父さん、お母さんと離れて暮らすことになったリディアに、 ただただびっくりしてました。
投稿日:2009/04/06
女の子が家族に宛てた手紙だけが文章です。 その手紙に書かれていない部分を想像する楽しさがあります。 まったく文章のないページもあるので、色々なおはなしを自分で感じ取っていけます。 アメリカの不況時代を背景にされていて、主人公のリディアの前向きな性格が周りの人をしあわせにしていく様子が心にしみてきます。 誰にでもあるさまざまな壁をどう乗り越えていくのか、この絵本から元気をもらえます。 高学年以上に良いと思います。
投稿日:2008/07/29
いつでもポジティブなところが読んでいて元気をもらえます。どんなことが起こってもみんなが楽しくできるようにしている工夫がこの本のいいところです。じゃ次はどうしようか、ではこれはどうかな?といろいろと試行錯誤をしているところもチャレンジがあふれていてとっても良いと思います。イラストも柔らかな印象です。一度、読んでみるといい作品だと思います。
投稿日:2007/03/29
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