浜田桂子さんの描く優しい柔らかな感じの絵が好きなので、前から読みたいと思っていました。
浜田さんの絵本の中に、今まではこういった平和や戦争に関するものはなかったような気がしていたので、どんな絵本なのだろう?と思っていたのです。
子どもにもとても伝わりやすい平易な言葉で、平和についてが描かれています。
中に「ぼくが うまれて よかったって いうこと」という言葉があり、その言葉が私にはずーんと重く刺さってきました。
震災前にはこの平和な国に子どもが生まれてきたことがとても幸せと感じていました。
でも、今はそうはいえない子どもたちが日本にもいることを思うのです。
安心して空気が吸えない、外で思い切り遊ぶことができない、子どもに許されていいはずのことをあきらめなくてはいけない子どもたちがいること。
大人として何とかしたいと思ってもできない自分のことも。
平和も美しい環境も、ごく当たり前のことではないのです。
そこにはそれを守り続けようとする強い気持ちがいるのです。
偉くなることもお金をたくさん儲けることも大切だと感じる人はたくさんいるかもしれません。
でも、ごく普通の平和な生活を次の世代に送ること、それが今一番貴いことだと思えます。