『結果が、最初の思惑通りにならなくても、
そこで過ごした時間は確実に存在する。
そして最後に意味をもつのは、
結果ではなく、
過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。』
星野道夫が遺した数々の珠玉の言葉の中で、私が特に好きな言葉です。
(この本の“ワスレナグサ”という章にも載っています。)
この「夢を追う人」は
星野道夫のアラスカの詩・3部作の1冊です。
他に「めぐる季節の物語」「極北に生きる人々」があります。
生前に書かれたエッセイと写真の中から、テーマ別に選んで再構成したもので、
子ども達にも広く読んでもらえるようにとの配慮から、ルビ付き&文字も少し大きめで小学校高学年くらいから読めます。
3部作に特に順番があるわけではないので
どの1冊から読んでも良いと思いますが
私なら子どもに勧めるならまずはこの「夢を追う人」を選びます。
“アラスカとの出合い” “十六歳のとき”などの章は
特に若い心に響くのでは、と思います。
また、写真絵本「森へ」を読んだことがある方は
「夢を追う人」最後の章“トーテムポールを探して”を読むと
より一層、星野道夫ワールドを味わうことができますよ。
星野道夫の写真もたくさん掲載されています。どの写真もそれはそれは素晴らしいので、
子どもの読書用に買い与えた場合など、
『最初は写真だけ眺めるつもりで開いてみたら』と勧めても良いと思います。
写真を眺めているうちに、
きっと広大なアラスカの大自然に
心を飛ばすことが出来ることでしょう。
星の数は5つまでしかありませんが、
もっとたくさん星を付けたいくらい、このシリーズはお薦めです。