旅行に行って心に残るものは、その土地の美しい風景であったり、自然であったりします。
愛知に住む私は、東京までは行けても、東京より北の東北には足を運ぶ機会がありませんでした。
新幹線の開通は、高度経済成長のシンボルでもあり、新幹線が日本全国をつなぐことが、日本人の夢であった時代があります。
この絵本の中には、震災で失われた風景もあります。この絵本を開いた時に『綱渡りの男』を連想しました。
その本に広がるのも同時多発テロ以前のニューヨークの風景です。
失われてしまった風景をこうして絵本によって思い出す時に、とても切なくなります。
それほど、この『新幹線のたび』では克明にそして丁寧に日本の地形が描き出されているからです。
地形と共に、絵本の中では車内の様子も描かれているので、旅行中のわくわくした気持ち、弾んだ気持ちも伝わって来ました。
こんな風な風景がまたもう一度私たちの目の前に広がることを今は切に願っています。
美しい日本の風景を、子どもたちに残していきたいと思いました。