文字に興味を持ち始めた娘。それならばと、ひらがなに親しめる一冊を探して決めたのがこちらです。1ページに一つの仮名とイラスト、のシンプルな構成。上に大きくひらがなとカタカナが並び、とても見やすいです。そして該当仮名を頭文字に使った言葉を並べた五味さんオリジナルの文章が。
「あくび あざらし あそびに あきた」…パラパラと開いた夫は「意味のない羅列では?」と首を傾げておりましたが、これは実際に声に出してみると、その楽しさを実感できるはず。「くうき くじらは くものうえ」…と、あっという間に娘も覚えて口にしています。
「ちらかし ちーたー ちりがみ ちぎる」などは、確かに文字だけでは首を傾げたくなる一文ですが、イラストには部屋いっぱいにティッシュを引っぱり出しているチーターに「やめなよ」とでも言いたげな表情のチンパンジー、それに地球儀まで転がっています(欄外に「ちんぱんじー」「ちきゅうぎ」も表記されているのもポイント高いです。語彙が増えます!)。「散らかる」というイメージまでも見事に表現され、さすが五味太郎!と思わずうなってしまいます。
よくある「あいうえお」に○を囲んで絵がついたものよりも、ずっと楽しくて世界が広がる一冊かと思います。その点で「ぐりとぐら」にもひかれましたが、まずこちらを選んだのは「あ」〜「ん」まで一文字ずつの構成であることと、同じ内容で「かるた」があるという二点。(絵本を読み込んだ後で、かるたを登場させましたが、予想以上に大興奮!でした。)
コンパクト版を選んだのも大正解。ただ読むだけでなく、「しりとり」や「文字探し」など、色々な遊び方もできるので外出先でかなりの時間遊べること間違いなしです。待ち時間の長い病院へ行く時などは必ずバッグに入れていきます。既にひらがなを読める子は勿論、文字に興味を持つ前からでも、十分に楽しめる一冊だと思います。我が家も早過ぎる事はなかったです。