はたらくくるま しゅつどうします!(文溪堂)
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もうなかないよ、クリズラ(冨山房)
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戦争直後くらいに生まれた女の子が主人公なので、おひなさまが「七千五百円」で「たか〜い」と言うなどちょっと古い感じがするエピソードがでてきます。 でも、空襲で焼けてしまったおひなさまを母親が大切に思っている心と、主人公がだんだんその気持ちを理解し、思いやりをもって母親を見るようになる過程が心を温めてくれます。 父親のいない家庭ですが、母子家庭独特のやさしさを感じられます。それは、少し冷たい風の中、日差しが暖かくなってくる今と温度が似ています。そういう意味でもお雛さまの時期にふさわしいお話と思いました。
投稿日:2005/02/27
自分が幼い頃持っていたお雛様と同じくらい特別なものを、娘にも与えてあげたいと願うお母さんの気持ちには共感を覚えます。でも、それと同時に「安っぽい金ぴかのお雛様でも欲しい」というよし子の気持ちも痛いほどよく分かります。よし子が泣きながら本音を告げた時、妥協してスーパーのお雛様を買うのでもなく、無下に突っ撥ねるのでもなく、一緒にきちんとしたお雛様を見に行こうと提案出来るお母さんの姿勢に心打たれました。子供扱いはせず、対等の立場に立って話をする。自分もそのような事が出来る親になりたいものです。 新しい物や使い捨ての物が溢れている今の時代に、大切なことを思い出させてくれる一冊です。
投稿日:2016/03/14
文章は長いのですが、優しい文体で、すらすらと読めます。三月三日におひなさまがほしい娘の気持ち、買ってやりたいけど、既製品ではなく心の籠もったものをおくりたいお母さんの気持ち。じんわりとみんなの気持ちが伝わってきました。最近では高価なものから安価で品質が低下したもの、さまざまな「もの」があふれています。物を買うのも簡単になりました。このように、ひとつのものを買うときに母の気持ち、娘の気持ちが入り組んで一緒に解決していく姿はみかけないかもしれないなとおもいました。すぐに物を買うのではなく、互いにどんなきもちでいるのか確認し合うことがたいせつです。古い本ですがなくならないでほしい。
投稿日:2014/02/25
母と娘の、雛人形をめぐる物語です。 これほどまでに想いを込めて、雛人形を選ぶとは・・・ 戦争や夫の死を乗り越えてきたお母さんは、どれほど強い人なのだろうと思いました。 長い物語なので、高学年くらいからがオススメです。
投稿日:2013/02/18
ひな祭りの時期になるたびに気になっていた本です。 図書館でも書店でも見かける機会がありませんでした。図書館で予約して手に入れたら読まれていないほどのきれいさでした。 作者は石井桃子なのですが、子どもだけで選ぶとなかなか手に取られなくなっている本かもしれませんね。 おかあさんが、なぜおひなさまを買ってくれないのかが非常に丁寧に書かれていると思います。おかあさん自身のおひなさまに対する思い、規格品では満足できないという気持ちがとても伝わってきました。 今は物が豊かになっていますが、おひなさまを選ぶのにこれほどの思いはないと思います。 戦後の日本の生活も垣間見えますし、親子のつながりの密接さを感じました。
投稿日:2010/02/25
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