「いただきます」の本当の意味を知る為に、
「いただきます」に本当に気持ちを込める為に、
必ず娘達に読んで欲しいなと前々から思っていた本です。
復刊とのこと、本当に嬉しく思います。
作者の森達也さんは『思考停止』に警鐘を鳴らしておられ、
オウム真理教のドキュメンタリーでも有名な方です。
本作では、屠場の実際についてとても具体的に触れており、
酷くショッキングに受け取る方もいるかもしれませんが、
目を逸らしているだけではいけないのではないか・・・と感じました。
屠場で働く方々の、命に真摯に対する姿についても述べられています。
それらの事柄を知ることで、
“命を戴いている有り難味”を真に感じることが出来ると思います。
マグロの解体ショーは時折テレビや店頭で見掛けますが、
家畜については、牧場での姿の次は、スーパーの白いトレイの上。
その間の過程について、語られることはほとんどありません。
「それが当たり前」でなく、疑問を持つこと・思考停止しないことは、
食育という観点からだけでなく、きっととても大切な事です。
何故語られないのかについて、
森さんは江戸時代の身分差別からのアプローチを試みておられ、
なかなか興味深い切り口でした。
併せて、内田美智子さんの作品もお勧めだと思います。