地域のボランティア同士で集まった時、別の学校で読み聞かせをしているお母さんが薦めてくれた作品です。
イラストは「13歳のハローワーク(村上龍:作)」のイラストを手掛けたはまのゆかさんで、それぞれの子どもたちの個性がはっきりと描かれていて、物語を読み進めるのに、とても読みやすかったです。
また、表紙の装丁はとてもシンプルで、本を手に取っただけで、この子どもたちにとって、とても大切な何かを『約束した』(もしくは『約束だった』)んだと、想像できました。
この作品は「小説すばる」に掲載されていたらしいので、”児童書”といってしまうと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、こうして単行本になると、子ども向けの物語という感じもします。
本文のレイアウトや漢字にルビはふっていない所など、大人向きに作られている様でいて、作品内にははまのさんの挿絵がふんだんに使われていてページ数も少ないので、
小学校の高学年くらいのお子さんで本を読みなれていれば、十分読める内容になっています。
でも、しいていうとあまり年齢の低いお子さんには薦めたくないです。出きれは中高生以上の方にお薦めします。
内容は小4時代の仲良し4人組の『約束』を取り上げたもので、
うち一人(今は大人)が語り手となって、そのころのことを思い出してこの話を書いている。という設定でした。
話そのものは短くて、あっという間に読めてしまうものですが、中身は結構重いものがあります。
作中最後の1文がとても心に残っています。
彼らと一緒にいる限り、何をしていても(一人足りない)という感じ から逃げられなかったからだ。
子どもたちには、少し重いテーマかもしれません。
で、いつか大人になり、いろいろ経験を重ねた後で、読み直したくなる1冊かもしれないと思います。