ある国の王様は、おひめさまのロージーに何人ものおむこさんを紹介しようとしますが、ロージーはこう言って断ります。
「わたしがけっこんするのは、目がキラキラとかがやいている人だけなの」
ロージーがみそめたその人は、一生懸命働く腕の良い大工のセバスチャン。王様のむこになれ、という申し出も断り、彼は「いまのままでじゅうぶんしあわせさ」と言いながら家に帰っていきます。でも、ロージーはあきらめきれずに、お城を出て、とうとうセバスチャンのお嫁さんになりました。
今まで私の知っていた物語のお姫様たちは、気に入った若者をお婿さんにして、末永く幸せに暮らすことが多かった。
でもロージーは自らお姫様の地位を捨て、セバスチャンと結婚する。彼も彼で、自分の生活を貫こうとする。ここが気に入ってしまいました。
しかも、セバスチャンが「一緒に来るかい?」と誘うと、「わからないわ。おひめさまって、大工と結婚してもいいのかしら。」と戸惑いを見せます。
ここも人間臭くていいですよね。
二人の生活は魚をつったり、畑で野菜を作ったりというものになるようですが、生きているということを実感できるでしょう。お幸せに。