震災についての作品はここ2年でたくさん出版されていますが、人や町ではなく、残された「一本松」にスポット当て、木の目線で物語が語られていくという珍しいパターンの作品でした。
震災そのものというより、一本松の見てきた松原の歴史が語られ、
江戸の時代から、町の人のこと・町の発展を考えて頑張ってきた立派な人たちがいたことを知ることもできました。
このお話、大人のよみきかせでも十分楽しめると思って、先日ディケアサービスのおはなし会で読んできました。
ただ悲しいだけの震災の出来事ではなく、
「一本松」を通して手をつなぎ合うそこに住んでいる人たちの、明日へと繋がる希望の力も伝わってくるお話なので、ぜひ聞いてもらいたいと思って選んで行ったんです。
そうしたら、たまたまこの一本松の側に実家のある方がいらっしゃって、
「故郷の一本松の話をはなしてくれてありがとう」といわれました。
読み終えた後、実際関わりのある方にこんな風に声をかけてもらえて、この作品が伝えてくれるものの大きさを改めて感じました。
小学校の高学年くらいから、読みきかせなどにもお薦めします。