とっても素敵で壮大な『南極旅行』の物語でした。
主人公はソフィー・スコット。
歳は描いてないけど、たぶん11,12歳くらいの女の子です。
南極大陸へ行く船の船長さんの娘で、特別に一緒に南極へ連れて行ってもらった時のおはなし。という設定でした。
実際、南極を訪れたのは作者のアリソン・レスターで、後書きを読むとなんと6か月も行っていたそうです。
こういう極寒の地に半年も生活するのは、専門家でも結構大変なんじゃないかなと、思います。
作者本人が行ってきたからこその、
天候の時の海や船の状況がどうなるとか、海が荒れるとみんなの食欲が落ちるとか、
現地へ行ったからならではからならではの、ちょっとしたリアルに見てきた出来事が、
物語の要所要所に練りこまれていたので、
読んでる方は「生の情報」が伝わってきて面白味が増しました。
写真や絵がいっぱいなので、魅入っているとたいして長くない作品だと思えましたが、改めて読み直してみると、旅行日誌なので意外と文章が長かったです。
ブック・トークで紹介ならできそうですが、読み聞かせをするにはちょっと長すぎますね〜。
でも、とってもわかりやすく楽しくまとめられている『南極旅行』なので、ぜひ、たくさんの子どもたちに読んでもらいたいです。
一人読みで、書いてあることが楽しく理解できるのは、小学校の高学年くらいからでしょうか。
とにかくいい作品です。
思わず、「小峰書店ってやるな」と、思ってしまいました。