赤い花しか存在しないお城に、ある日、黄色い花が咲きます。その日から、庭師VS黄色い花応援団の静かなる戦いが始まります。そして、最後に敗れたのは... という話です。
とてもシンプルな話なのですが、私にはこの話がとても意味深いものに感じて、何度も何度も読み返してしまいました。自分の仕事に誇りを持って忠実に任務や自分のモットーを通そうとする庭師が、ある意味、格好いいと思うのは、私が年を取ったからでしょうか? でも、段々と庭師が狂気じみてしまうところが、とても現代に通じるものもあり、ちょっとひきつるものを感じました。
結局、どんなことにも、新しい風は吹くものです。変わらないものなんて何もない。淘汰ではないけれど、こうやって、新しいものは根付いていくのだなぁと、一種の感慨深いものを感じました。
本当は、この話にはこんな難しい感想は全く必要ないのかもしれません。ただただ本当にシンプルに笑える話です。そして、描かれている絵もシンプルなので、とてもお勧めです。特に、びっくりして長熊手の柄が顔にぶつかってしまった翌日の庭師のおじさんの顔が、私の中での大ヒットです!
この黄色花の正体は、日本だったら、タンポポなのでしょうかね。この話の西洋では、バターカップといったところでしょうか? でも、バターカップは綿毛になるのかしら?!