『ぼくね おかあさん だいすき』と言ってくれる坊や。
どのページも、現実のおかあさんが怖い顔や厳しい表情でいう事を、
次のページでこんなふうに言ってくれたなら、『ぼくね もっとおかあさんのこと だいすきだよ』と返す坊や。
最後は、しかってばかりでごめんね、と反省するおかあさん。
『ちゃんとしなさい!』、『はやく!はやく!』、『なにやってるのだめね!』、
『いいかげんにしなさい』、『しょうがないわね!』、『いつもそうなんだから!』、
『いそいで!ぐずぐずしないで』、『なんかいいえばわかるの!』・・・。
息子へ
ごめんね。本当に、本当にごめんね。この絵本に出てきたおかあさんの厳しい言葉の数々。ああ、このうちのどれだけの言葉を、何度あなたに、きつい口調で投げかけてしまったことでしょう。
あなたもきっと、この絵本の坊やのように「こういう言い方をしてくれたらぼくの気持ちも晴れるのに」と何度も思ってきたことでしょう。それでも黙って、小言の数々を聞き流してくれていたのですね。これからはもう少し、言い方に気をつけます。
時々、ふとあなたのことがとても心配になって「笑顔が見られたらそれで十分」「無事でいてくれたら、ただそれだけでいい」と思うくせに、普段はつい、小言ばかりですね。
本当にごめんなさい。
あなたのことがだいすきな気持ちは、ずっとずっと変わりません。いつもあなたの成長を傍らで見守っていけることをとても楽しみにしています。これからもよろしくね。