グリムではなく、ベヒシュタインによるお話です。
我が家の末っ子の次男が図書館で見つけました。
絵のトーンが暗く、どことなく古さを感じさせる本だったので、他の本を借りたかった私はちょっと渋ったのですが、彼がどうしてもこれがいいと言うので、借りてきました。
でも結果的には正解でした。
表紙だけでなく、やはり中のページの絵のトーンも暗く、お菓子のお家にもスウィートな感じはありませんし、文章量も多いのですが、次男は最後まで飽きることなく聞いていました。
お話がとてもしっかりとしているのです。
最初に両親が子どもを捨てる相談をするところから、子ども達が一生懸命家までの道を探そうとするところ、子ども達を導く白い鳥、不気味で怖い魔法使いなど、すべてが丁寧に描かれています。
展開にも無理はなく、お話の流れがスムーズです。
こういう誠実なところが、子どもをお話の世界に上手く引き込んでいくのでしょう。
ダイジェスト版などでも『ヘンゼルとグレーテル』は目にすることは多いと思いますが、こういう丁寧に描かれている本も一度読んでおくといいですね。