ドイツを取り巻く戦況は悪化し、中立の立場であるスウェーデンでも大陸続きなので戦争の影響があったことが背景として語られています。
成績優秀であるステフィですが、高校進学のための援助については厳しいことがわかります。
この頃のスウェーデンでは小学校で教育が終わりということも珍しくなく子ども時代が短いことを思いました。
ステフィ、マイ、ヴィーラ、新しい登場人物としてステフィと同じウィーンからやってきたユダヤ人のユディスか加わります。
同じ年齢の少女たちの進路や生き方もさまざまで、時代や環境に翻弄されるものあり、抗い続けるものありで。
特に同じユダヤ人であり、ユダヤ人であることを常に意識し生きるユディスの生き方はまっすぐではあるものまっすぐさゆえの生きづらさを感じました。
またこの巻からは思春期に入りだしたネッリについても詳しく描かれるようになりました。
大人になっていくことは少なからず痛みをともないます。自分で決めたことに責任を持つというのもその一つでしょう。
ステフィが自分の道を切り開くためにとった一つの行動は?多くは書けませんが、ステフィとネッリの成長していく姿、二人を取り巻く環境、大人になっていく二人の悩み・葛藤が丁寧に描かれていると思います。