北海道美唄市の話。
実は、北海道にりんごができることも、中国朝鮮から多くの人間が強制労働のために連れてこられたことも、実感として知らなかった私です。
自分が知っている戦争の大きなイメージの陰で埋もれている様々なことを、絵本で見つけるとハッとすることが多いのですが、意外と地元では実感されていても全国区になれない。
これには問題があると思うのですが、厚い書籍ではなく絵本で知ること。これも大人にとって重要なことかと感じています。
戦争体験者である父。
父には、強制連行されてきた中国人、朝鮮人の気持ちが分かるのです。
自分にも生活がある。
それを判って欲しい。
暴徒の中に一人入っていく勇気は、生きるための選択だった。
父の思いを理解した暴徒たちはもいだりんごをすべて置いていきます。
日本軍は中国で、住民の命も踏みねじり、すべての物を強奪したのに。
人の気持ちを分かること。そのために自分が苦しい思いをしても。
自分たちの過ちも忘れないこと。
子どもに理解させるのは難しいと思いながら、まずは大人がそれを学ばなければいけないと思った私でした。