三部作の最初の作品ということですが、家族揃っておじいさんとの関係性を考えると、不思議なループを作っているような作品です。
戦争が海の向こうにあって、その海が見える場所に暮らしている家族は、平和に包まれています。
続作では、その暮らしが戦争で壊され、兄弟二人でおじいさんの家を目指します。
三作目では、おじいさんが亡くなり、兄弟が両親を待ち続けます。
戦争が停戦となり家族が揃った風景を、この「ぼくの家から海がみえた」に思い描いたからです。
常に戦火がそばにある地域で、言い様のない不安感はエンドレスなのかも知れません。
このループから解放されるためには、四作目に完結編を作っていただきたいと思いました。