得田之久さんと言えば、昆虫絵本の第一人者と知られています。
「こんちゅうの一生シリーズ」全5冊は、2〜3年観察を続けてから、何とか1冊の本にまとめた作品で、その努力が窺い知れる素晴らしいもの。
その精緻な絵、挿入された解説等、科学書としても十二分に通用すると思います。
今回の作品は、精緻な作品ではなく、程よくデフォルメを効かせたもの。
対象年齢を2歳〜においているので、この加減が実に的を得ているのですが、それは、昆虫の生態を熟知している得田さんだからこそのものだと思います。
バランスを考えると、頭と目が大きいのですが、それが認識できないと生物であると思えないはず。
特に、つぶらな瞳がキュートです。
文章も、
〇〇〇さん 〇〇〇どこいくの?
〇〇〇んだね。
と、どれもリズミカルで分かり易いもの。
絵と文章が、絶妙に絡み合って、良質な絵本となっています。
ファーストブックの次あたりにオススメします。