庭で拾った白いボールから、なんだかかわいい、「くぅくぅ」鳴く生き物が生まれた。
お母さんは捨てなさいとも言わずに牛乳を暖めてくれた。
夜は川の字になってみんなで寝て、昼間はクッション代わりにして一緒にテレビを見て、不思議な生き物を昔から居た様に受け入れる、真面目でなんとものんびりした家族の様子が少しコミカルである。
日に日に巨大化する「くうたん」が部屋一杯に成長してサナギ化するに至って、さすがのお父さんお母さんもようやく問題の大きさを自覚したのか、「消防車か救急車か警察」にきてもらって、「動物園か水族館か博物館」に引き取ってもらう、と言ってどう対処してよいか分からない様子。
かわいかった「くうたん」が凶暴に変態してしまうのではと、途中ドッキリ、ハラハラさせられるが、一貫してほのぼのとした家族と不思議な生き物の暖かな交わりが描かれていてほほえましい。