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海がやってきた」 パパの声

海がやってきた 作:アルビン・トレッセルト
絵:ロジャー・デュボアザン
訳:やましたはるお
出版社:BL出版 BL出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2007年06月
ISBN:9784776402404
評価スコア 4.25
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みんなの声 総数 7
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  • 助詞はむずかしい

     文章を書く時、助詞には気をつけなさいと教えられる。
     この絵本のタイトルでいえば、「海が」の「が」は使い方としてはおかしいのではないか。
     正しく書けば、「海に」ではないか。
     しかし、この絵本の主人公の男の子、ティモシイ・ロビンズ君、の気分でいえば、やはり「海がやってきた」なんだろう。
     そして、それは多くの男の子が夢見る未踏の地へのあこがれのようなものだったのではないだろうか。
     何しろ、最後に「波うちぎわの、かたくしめった白い砂に」自分の名前を書くなんて、ちょっとした冒険家のようだもの。

     その日の朝早く、男の子はまだ空に灰色の霧がかかっている頃、海に向かって歩きだすところから始まる。
     彼のあたまには「船長きどりのふるい帽子」までのっかっている。
     朝早いので、砂浜には誰もいない。
     男の子が一番のり。
     だから、そこでみる生き物たちも彼が最初に見つけたものたちばかり。
     海辺で拾った貝殻を耳にあてると、海の歌が聞こえたりする。
     しだいに海の潮がふくれてきて、海辺にはたくさんの人が集まってくる。
     そんな人たちのそばで、男の子は砂の城をつくったりする。
     この子は騎士だ。
     けれども、海はもっともっとあふれて、大きな波をうちよせる。

     ロジャー・デュポアザンの単調な線の、けれど生き生きとしたラインの、それは青の単色でも色鮮やかな多色でも素敵な絵が、男の子の、まるで冒険家のような気持ちを上手に表現している。
     だから、この絵本はやっぱり「海がやってきた」で正しいのだ。

    投稿日:2018/07/15

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  • 海を独り占め?

    朝早くに海辺を歩く少年のイメージかと思うのですが、それにしてはと違和感が多い絵本です。
    砂浜から沖の船のシーンは飛躍しすぎ、朝早く砂浜にすでに大勢の人々が遊んでいるのは不自然です。
    少年の想像から成り立っているとしたら、現実感から離れてしまいます。
    デュポアザンの絵が好きなだけに、妙に残念でした。

    投稿日:2018/06/29

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