1967年の作品で、発刊するやベストセラーになり、映画化もされた有名な絵本です。
ただ、読み聞かせるなら4歳ぐらいからとありますが、90頁を超える作品なので、息を切らせぬ展開とは言え幼児ではなかなか持たないかも知れません。
やはり、範疇としては幼年童話の部類で、自分で読むことのできる小学校低学年向きといえそうです。
この物語の制作は、ハーディ・グラマトキーが、ハドソン河沿いのアパートから、タグボートを見ていたことが発端のようです。
米国では、タグボートが主人公の絵本を良く目にするので、文明の発展の違いがここでも見受けられるということなのでしょう。
最初は、ちびっこタグボートのやんちゃぶりが描かれていますが、ひょんなことから、ちびっこタグボートは大きな客船が難破しているのを発見します。
そこから、ちびっこタグボートがみんなに助けを呼ぶ発想が、やはりアメリカ的。
そして、最後にちびっこタグボートは、みんなにその力量を認めてもらうまでになるのですが、色々な示唆に富んでいるので、読む人によって受け止め方は様々でしょう。
冒険活劇として楽しむだけではなく、やれば出来るということをさりげなく教えてくれる一冊だと思います。