1961年に出された丸木俊さんの初期の作品。
広島原爆、沖縄の戦闘、水俣…、丸木さんには社会を見つめる鋭い眼を感じていますが、こんな作品もあったのだと意外な発見です。
天人が水浴びしているところを羽衣を取ってしまった総助。
はごろもは知人の権兵衛を通して呉服屋へお城の殿様へと渡って行きます。
最後のハッピーエンドはともかくとして、小心者の総助、決して総助を恨まず心の広い天人、なんともやさしい気持ちの紙芝居です。
丸木さんにこんな一面もあるのだという絵は、原爆、戦争とすこしおどろおどろしい作品を読んだ後に、ほっとさせる作品のように思えます。
世離れして生活感がないので、なんとも不思議なはごろも話でした。