スティーブ・ジェンキンズは、2004年に「こんなしっぽで なにするの」でコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
他にも、「進化のはなし」「ほねほね絵本」等の科学の絵本で知られています。
ゴリラの手の平とピグミーネズミキツネザルとの対比が、かなりのインパクトの表紙からして、期待させるもの。
最初に驚いたのは、ダイオウイカの目玉。
目玉の直径30cmですから、想像を絶するとは正にこのこと。
次の驚きは、西アフリカに住むゴライアスガエル。
体長30cm、足を伸ばすと90cm、体重3sの全体像が3ページにわたって描かれている様は圧巻です。
でも、一番驚愕したのは、ナナフシ。
ナナフシって、日本にも生息していますが、ここに登場するマレーシアのナナフシは全長がなんと55cm。
これは、昆虫の域を完全に越えていて怖い位。
熊とか鰐とか象が大きいというのは、至極当たり前の話で想像も出来るのですが、こと昆虫に関しては、想像するだけで嫌悪感を覚えてしまいました。
他にも、顔だけとか、アリクイの舌だけとか、足だけのページもあって、その巨体を連想し易い作りになっているのは、素晴らしいと思いました。
その大きさを見せる発想の豊かさには、ただ、脱帽という感じです。
ただ、繰り返しになりますが、昆虫については、一寸強烈過ぎな気もしました。
巻末には、詳細な説明があるのですが、その大きさの全体像を掴むには非常に分かり易く、子供だけでなく大人も十分に楽しめる構成となっています。
いつものコラージュの画風は、その質感の表現力が多彩で、とても臨場感を持って見ることができると思います。
1級の自然科学の絵本としてオススメします。