読後感は一言、「これはいい」です。
2008年のイギリスの作品で、何と英・米・独・伊・韓国など世界19か国同時刊行されています。
これは、その内容が時代に合っているからに他なりません。
メラニー・ウィッシュは、「ピィピィなくのはさるだっけ」「ぶたにしましまあったっけ?」等の作品を読んだ事がありますが、絵の色合いとキャラクターに卓越したものが感じられたのに、ストーリー自体が弱かった記憶があります。
この作品は、その卓越した絵に、秀逸なストーリーが添えられているので文句なしです。
物語は、
「へやをでるとき、わたし ぼくは・・・
でんきをけします」
という書き出しで始まります。
そこには、
「電気をこまめにけしたり、小さなワットにかえると、大切なエネルギーや電力のせつやくになるよ」
という但し書も添えられています。
そんなエコに関するショートストーリーが10程あるのですが、どれもが、直ぐ実践できること。
しかも、何故そうすると良いのかを、分かりやすく説明しているので、お子さんも納得して取り組むこと間違いありません。
わが国は、昨夏、国中をあげて節電に取組みましたが、この絵本を読んであげていたら、お子さんも喜んで参加したのではないでしょうか?
一番良いと思ったのは、お絵かきするとき、紙の表裏を使いますというくだり。
この絵本は仕掛けの要素もあるのですが、実際に両面をお絵かきしたページがあって、実に分かりやすい例示だと思います。
そして、最後。
「わたし ぼくは ちきゅうが だいすきだから」
というコメントで終わるのですが、実に完成度の高い絵本と言えると思いました。
小さい頃に、こうした良書に出会うことは、とても望ましいことだと思います。
是非、1度エコを考えるためにも、この作品の読み聞かせをオススメします。