なんともスゴイ本である。
絵からにおいが漂ってくる。
何という色調だろうか。
私は肥溜め、汚穢をさほど知らずに育った世代。
子どもたちには少し悪臭が強すぎるように思いました。
今でも畑地帯に行けば、鶏糞、牛糞、馬糞が立派に農家の役に立っていますし、家庭菜園をたしなむ家庭ではホームセンターで糞を買ってくるのです。
そういう話を導入に考えると、これは立派に社会のお勉強。
昔は人の汚穢が農家を支えていたのです。
そして、糞尿の入手を必要とする人たちと、糞尿を処理して欲しい人たちがいたのです。
これは立派に社会構造であり、経済をなしていたのです。
商売っ気を出して、売り物にしようとしたところから、とんでもないことになってしまいました。
とっても良いお話ですが、町中では現在でもお金を払って、汚水処理をしてもらっているわけですから、とても意味のあるお話なしです。