文は、1945年に発刊のロシアの幼年雑誌「ムルジルカ」に発表されたもの。
その文に、新しく絵が挿入され、2010年に発刊された絵本です。
主人公は、発明家であり魔法使いという設定。
魔法使いなら、発明する必要がないと思うのは、野暮なことでしょうか?
最初の3シーン位は、発明家の姿が描かれています。
話の転機は、魔法使いが馬車と出会ってから。
馬車の男の子に、
「馬を猫にかえられますか?」
と聞かれて、実際に魔法を行使して馬を猫にかえるのです。
ところが、元にもどす魔法のレンズが壊れていて、直るまで待つように言われ、男の子は困り果ててしまいます。
力は馬のままの猫なので、この設定は結構楽しめるもの。
話の展開に幅が出てきて、元に戻るシーンもなかなかの出来栄えだと思います。
「うっかりもののまほうつかい」が主人公というより、猫に変身した馬が主人公といった感があります。
発想そのものは面白く、絵はいかにもロシアを彷彿させるもので、珍しい風景や生活が垣間見れる作品です。
発明家と魔法使いの両面の顔があるというのも、良いのですが、それにしては物語が中途半端な感じがしました。
パーツは良いのですが、全体から判断して厳しい評価となりました。