終戦直後の九州の山の中腹の小学校。
運動会に現れた二人の兵隊さんがはじめた自転車の曲芸乗り。
運動会は中断してしまいましたが、つい1年前には鬼畜とおそれたアメリカ兵に親しみを持ったようです。
このお話は日本生まれの日本人で、アメリカに帰化したアレン・セイならではのお話になっています。
一月前に原書を読んで絵本ナビにレビューを書いたのですが、日本語版をあきらめていた私に、絵本ナビを見た知人が貸してくれました。
絵本ナビに感謝。
さて、水田まりさんの訳が気に入りました。
長崎佐世保で子ども時代を過ごした水田さん。
私も小学校低学年を佐世保の小学校で学んだせいでしょうか。
この絵本の舞台がとてもなつかしいし、絵本の中で使われている方言がとてもこの絵本を引き立ててくれました。
原作と少し言い回しが違いますが、原書を読んで一人納得していた私は、翻訳者の大きさを改めて感じた次第です。
終戦直後の日本ですが「敵で怖いと思ったアメリカ兵も、同じ人間なんだ」とアメリカ人でも日本人でもあるアレン・セイならではのメッセージ。
ただし、中断された運動会はどうなったのだろう。
運動会の邪魔をされて先生も子どもたちも受け入れてしまったのだろうか。
終戦直後なのに弁当が良すぎる。
春にモモはまだないだろう。
などと違和感もすくなからずある絵本です。