かめのヘンリーはちよみちゃんのお気に入りのぬいぐるみですが、お母さんに洗ってもらうまで物置部屋に入れられてしまいました。病気のちよみちゃんが探していると聞いたヘンリーは自分で洗いにいく決心をします。おっとりタイプのヘンリーがちよみちゃんのために一念発起、読んでいる方も頑張れと自然に応援したくなります。子供はまだそこまでの共感はなさそうなのですが、結構リピート要求が高い本です。
この絵本はほりかわさんの絵が個性的ですね。色づかいが上手で、不気味な物置部屋、真夜中の暗い廊下、月明かりの風呂場、水流に巻き込まれるヘンリー、一転明るい朝の庭、といった場面描写が印象的に描かれています。ヘンリーもかわいいし。でも、ちよみちゃんを始めとする人間は表情が乏しくていまひとつ。好き嫌いがわかれそうです。
ところでくまくん(ちよみちゃんの弟のぬいぐるみ)はヘンリーより先に歩き回ってるし、ヘンリーを呼び捨てにしているし、実はくまくんの方が兄貴分?