「ティッチ」「ロージーのおさんぽ」が有名なパット・ハッチンスの2002年の作品です。
今回の主人公は、めんどり、かも、がちょう。
どうやら3羽は同居人のようで、ピクニックに行くというシーンで物語は始まります。
きいちご、りんご、洋梨をお弁当にしてスタートするのですが、その行進する姿が魅力的。
手を振ってではなく、羽根を振っての行進が、その表情と相まって楽しさに溢れているものです。
そして、登場するねずみ、リス、うさぎといった面々。
通常は、弱い立場で登場するのが常なのですが、ここでは、3羽のお弁当を失敬する立ち回りというのも絶妙な展開だと思います。
結局、出発点に戻ってきてしまい、更にお弁当がないと気付くと、落としちゃったと結論付けるのは、本当に間抜けな話なのですが、そのほのぼの感もたまらないはずです。
仕切り直してピクニックに出発するのですが、ある程度の年齢のお子さんだと、その後の展開が読めてしまうでしょう。
逆に言えば、年少位までだと、物語にのめり込んでハラハラしどうしの絵本ではないでしょうか?
ハッチンスの作品で、最初に目を奪われるのが、鮮やかに彩色された絵でしょう。
原色に近い色を思いっきり使っているのですが、決してくどくなくて、目に焼きつくという表現がぴったりするくらいです。
慣れてしまうと、たまらなくなります。
対象年齢は、低いですが、ストーリー展開が楽しめる作品としてオススメします。