2008年4月発刊の「おおかみグーのはずかしいひみつ」の続編。
前作と同様、文を木村裕一、絵を宮西達也、出版が童心社という最強の布陣で臨んだといえる作品です。
前作は、涙なしに読み聞かせできないという作品でした。
イタチが育ての親という設定で、グーは大きくなるにつれ、イタチが母であることを恥ずかしく思い始めたのに、イタチは、どんなに冷たくされても、陰からじっと見守っている、そんな無償の愛を描いた作品でした。
今回の作品は、そのグーが、成長してボスになる夢を果たそうとしているシーンから始まります。
グーについてくる子分も出来、ボスを倒せば、夢がかなうというその時、ボスに負けてしまいます。
途端に、子分達は、離れていきます。
こころもからだもズタズタになったグー。
そんな時に出会ったのがイタチ。
懐かしい匂いを感じ自分の身の上話をしたグーですが、イタチは逃げてばかりで話もしてくれません。
イタチに振り向いて欲しくて、貝とか魚とかを取ってきてはイタチにあげるグーですが、信用して貰えず、グーは力尽きてしまいます。
そんなグーを見て、ようやくイタチはグーのことを信用するのです。
ストーリーの流れが自然で、なかなか練られた構成だと思います。
イタチは育ての親ではありませんが、その面影を感じられるから、元気がわいてくるというくだりは、心の琴線に触れるもの。
このイタチといることが、何よりも大切と語るグーに、大いに賛同する子供も多いのではないでしょうか。
前作があまりに良かったので、比較してしまうと酷なのですが、この作品は親よりも子供が多くを感じとることの出来る作品に仕上がっています。
最後を見ると、まだ続きそうなので、本当に楽しみです。