表紙のイラストを見ただけで、魅せられてしまいました.
こどものとも年中向きとは思えない、質とセンスの良さです。一見したら洋書かと見紛う質感です。
机の下に落っこちて忘れられてしまったビー玉、積み木にコンパスたち。自力では動けないけれど、合体したらへんてこなロボットだけど動けるようになりました。机の上へ戻ろうと、暗く狭いところで奮闘します。ネコに遭遇したり、絶壁の机にどうやって登るのか、即席ロボットには難関だらけです。しばらく薄暗い中での冒険ののち、机の頂上で見る眩しい日差しに、達成感と清々しい開放感を感じる、と思うや否や、ロボットは崩壊。ハラハラとコンパスたちの行く末に思いを巡らしました。
身近にある無機質な集まりが、表情豊かな生き物に見えるところがとても面白いです。平山暉彦さんはスポーツカーや消防車などのクルマを多く描いている方のようで、線がしっかりしているのと、無機質なものに心を吹き込むのが得意なんですね。
是非ハードブック化されて、沢山の方の目に触れて欲しいと願う作品です。