『ウォーリーを探せ!』の日本版と言ったらきっと作者はもちろん、『どこどこどこ いってきまーす』を読んだ子どもたちに叱られそうです。
いろいろ好みはあると思いますが、『どこどこどこ いってきまーす』は、長谷川義史の世界が絵本全体に広がっていて、絵探しをしなくても、絵を見ているだけで楽しくなってしまう絵本です。
作者の画風を大胆で自由奔放と勝手に決めつけていた私は、よくここまで細かいところまで描き込むことができたなあと驚くばかりです。
その甲斐あってか、探しものを見つけるのは大変難しいです。探す場所も、遊園地、お風呂屋さん、お祭り、回転寿司屋さん、電車の中、おでんや等々、生活感あふれています。お風呂にタコがいたり、回転寿司ではハイヒールが回っていたり、おでん屋さんはボートがこげるほどの広さだったりとユーモアいっぱいです。電車内の吊広告にも注目です。
絵探しは、表紙や裏表紙にもあります。表の見返しと裏の見返しでは間違い探しができるようになっています。カバーのそででは、「だるまさんがころんだ」で動いた人をさがせるようになっています。なんてサービス精神にあふれた絵本なのでしょう。
大人だと途中で絵探しをあきらめてしまいそうですが、子どもたちならきっとテレビなんか忘れて根気良く探してくれるに違いありません。