「おさんぽさえこちゃん」のシリーズもので、絵がどこか日本人離れしていて、おばあちゃんちのインテリアや、街の風景も洋風の匂いが漂いながら、商店街は下町っぽかったりと不思議な要素がたくさんある伊東美貴さんは、今気になっている作家さんの一人です。
忘れっぽいおばあさんは、今晩のカレーライスの材料や他にいるものを紙にメモして、さえこちゃんと買い物に出かけます。
でも初めのお店まで来て、そのメモを忘れたことに気づきました。
さえこちゃんはあれが欲しい、これが欲しいと言いますが、「なんだかちがうなぁ」と思いながらも、思い出せないので次々と買い物をしていきます。
その様子を見た息子は、「ここではあれを買うんだよね」と指摘しては、戻ってメモの内容を確認するので、なかなか前に進みません。
また、この材料からするときっと晩ごはんのカレーは無理だろうなぁと思っていると、案の定、家に着いたおばあさんも、メモと見比べて全然違うものを買ってきたことに困惑していました。
でもそこは年の功、買った材料を見事に美味しそうな晩ごはんに変身させてしまうあたりは、あっぱれあっぱれです。メニューはおばあちゃんからすると、とっても洋風なんですね。実は舞台は日本ではないかも、でも金物屋さんは日本独特な店造りだしなぁ…まぁ、あまり深く考えないようにしよう。
それから最後のページに、さっきのレシピが載っているので、さっそく息子と一緒にメニューをリクエストしました。
また、ローソクを灯しての晩ごはんの様子を見て、どこまでも洋風な生活なんだなぁと思いきや、じきにその理由がわかって「なるほど、あれか!」と納得してしまいました。