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アンネの木」 パパの声

アンネの木 作:イレーヌ・コーエン=ジャンカ
絵:マウリツィオ・A.C・クゥアレーロ
訳:石津 ちひろ
出版社:くもん出版
税込価格:\1,650
発行日:2010年12月
ISBN:9784774318851
評価スコア 4.5
評価ランキング 8,110
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  • 木が語るアンネの日記

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    2009年初版のフランス絵本。

    原題の木は、アンネ・フランクが第二次世界大戦中の隠家の窓から見えたマロニエの木。
    「アンネの日記」にも登場しています。

    この木は、アンネ・フランクにとって自由の象徴であり、こうした記録は風化させないという意味合いから、木が語るというのは、有効な手法だったと思います。
    2010年8月にこの木は、倒壊してしまうのですが、その苗木が広島県福山市のホロコースト記念館に寄贈されており、館長が訳者である石津ちひろさんであることは、物語を読み進める背景として知っておきたいものです。

    外に出ることを許されない環境下にあって、彼女は、この木で四季を感じ、生への希望を見出していたのでしょう。
    「雪に閉ざされる寒い冬のあとには、
     命のはじける春がかならずやってくるのだと、
     心の底から信じていたのです」
    心の琴線に触れる一文です。
    色調を押さえた絵は、この内容、文に似つかわしいもので、心情に通じるような雰囲気を醸し出していて、好感が持てました。

    「アンネの日記」とともに、小学校高学年以上に読んで欲しい作品です。

    投稿日:2011/04/02

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  • 『アンネの日記』を知ってますか

    『アンネの日記』を読んだことのある人ならば、アンネの気持ちが解る人ならば、この絵本で一本のマロニエが語る物語はとても悲しく辛いものではないでしょうか。
    隠れ家で2年数か月をひっそりと暮らし、思春期を育ち、15歳で命を失ったアンネ。
    明るくて自由闊達な少女が、ユダヤ人であるために、ナチス・ヒトラーの政策のために、狭い場所で息をひそめて暮さねばならなかったビルの屋根裏部屋。
    その窓から見えるマロニエは自由の象徴だったのです。

    そのマロニエから見たアンネの生活。
    マロニエはアンネの生活を通して、あの当時の歴史を語ります。
    そのマロニエは戦後も生き残っていましたが、2010年の台風で倒れます。
    このマロニエのことも、マロニエの苗木が世界の各地で育てられていることも知らなかったのですが、忘れてはいけないことを語り続けるものが、今もあることを感慨深く受取りました。

    『アンネの日記』を知らない人には、まずそちらを読んでほしいと思います。
    アンネを知ることによって、この本が光ってくると思いました。

    投稿日:2011/03/21

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