ペギー・ラスマンは、1996年のコールデコット賞受賞作品、「バックルさんとめいけんグロリア」で知られています。
他に「たいへんたいへん、あかちゃん、まって!」「おやすみゴリラくん」等があり、気に入っている作者の一人です。
主人公のルビーは、転校生の女の子。
前に座るアンジェラの真似ばかりするので、アンジェラに嫌われてしまいます。
確かに、真似をする行為ってあるけれど、ここまでされると、真似される方に嫌気がさすのも無理ないところ。
そこで、ハート先生が、優しく諭すのですが、あろうことか、ルビーはハート先生の真似を始めてしまうのです。
「日曜日にオペラを見に行きました」と言ったハート先生の真似をして、「わたしもオペラに行きました」と発表するルビーでしたが、ハート先生の凄いのは、ここから。
「他に、何かしなかったの?」
と優しく聞くのです。
心の扉を開くのは、難しいことですが、ふとしたきっかけで変るもの。
そこまで考えたハート先生の一言に、感銘せざるを得ません。
またそのエンディングが、素晴らしく、一読して欲しい作品です。
小学校低学年の女の子向きの作品と言えるかも知れません。