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じゃがいも畑」 パパの声

じゃがいも畑 作:カレン・ヘス
絵:ウェンディ・ワトソン
訳:石井 睦美
出版社:光村教育図書 光村教育図書の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2011年08月
ISBN:9784895728300
評価スコア 4.69
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みんなの声 総数 12
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  • 悲哀を感じました

    食べ物にも困る貧困生活。
    父親不在の家族に3姉弟と夜勤で働く母親。
    子どもたちのみすぼらしい服装を見ただけで、胸が熱くなります。
    母親が出かけた後の「ジャガイモどろぼう」も、収穫してきたものが「いしころ」であることも、絵を見ていると推測できてしまうのですが、それ以上に子どもたちの真剣さが伝わってくるのです。
    母親のために良いことをするのだと、姉のメイベルは自分に言い聞かせているのです。
    何も知らない末っ子のエディは、やっていることが理解できません。
    子どもたちが必死になって持ち帰ったのは石ころだったけれど、とても大切なものを持ち帰ったようです。

    父親不在の重さを痛感させられる一冊。
    なんだかジーンとしてしまいました。

    投稿日:2011/11/29

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  • 味わい深い作品

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    2008年のアメリカの作品。
    登場するのは、母、メイベル、ぼく、エデイという4人家族。
    食べるにはひどくことかいていた一家。
    立派な母さんのために、長女のメイベルが考えたことは、
    「ケニーさんとこの畑からあたしたちがとらなかったとしたらさ、じゃがいもはきっとくさっちゃうんだから。それって、すごくっもったいないことだわ。」
    「ものは良いよう」とは良く言ったもので、単なるじゃがいも泥棒をするということ。

    母さんが夜勤の日に3人は決行します。
    貧しさからくる悲壮感はなく、子供達は、夜の冒険にワクワクしながら泥棒をしているようです。
    その成果と言えば、ほとんどが石ころで、じゃがいもは少ししかありません。
    あたり一面が畑で、月明かりしかないのですから、じゃがいも掘りが上手くいくはずもないのは、自明の理。
    がっかりしているところに、帰ってきた母さんが全く喜ばないことが、追い討ちをかけるのです。

    母さんのその泥棒行為に対する裁き、また、農場主の対応を見ると、お手本のようなものです。
    何でも叱るだけでは、物事は解決しないのだと、改めて思い知らされたような気がします。
    こういう失敗の経験を通して、子供は成長を重ねていくのでしょう。

    貧乏を売りにしたTV番組が数多く放映されています。
    最初は面白がって見ていた自分がいるのですが、何か違うと思い始め見なくなりました。
    そんな自分が求めていたものは、この絵本の中にあるような親子の関係ではないのか?
    心の琴線に触れた思いがしています。

    文章は、ぼくが、ことの顛末を、少し離れた位置から冷静に、ユーモラスに、口語体で語りかけてくるもの。
    ぼくに感情移入してしまうお子さんは、多いのではないでしょうか?
    ノスタルジックな雰囲気を醸し出す絵も、このストーリーにマッチしたもので、完成度の高い作品となっていると思います。

    読めば読むほど、味わいの深さが感じられる良質な絵本としてオススメします。

    投稿日:2011/10/10

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