両親のけんかと離婚劇に振り回される、娘のレーナとその弟のラルス。
不安な気持ちで、なんとか両親をつなぎとめようとする子ども心をとても痛々しく感じました。
レーナとラルスの行動がとても象徴的。
別居する父親の家に行ったラルスは、父親の恋人とは仲良くなれません。
おばさんの家に行ったレーナは、事実上の夫婦でありながら結婚はしないおばさんの生活に考えさせられます。
ラルスの家出、放浪や、いくつものドラマがあって両親は離婚。
レーナは母親と一緒の生活、ラルスは一人寄宿学校に入ることにします。
裁判所で、ラルスが語った、「自分たちは親に望まれて生まれてきたと言われるのに、どうして親は自分たちの望むようにはなってくれないのか。自分たちにはどちらも必要だ。」という訴えが心に響きました。
屋根に乗って立ち上がるレーナの姿に象徴されるように、子どもたちは親の問題の荒波の中で翔ぼうとしたのです。
児童書ですが、私にはとても考えさせられる物語でした。