宮沢賢治の作品は文章と世界観が独特で、正直自分には合わず、これまで敬遠してきて大人になりました。
自分に子供ができて、本の読み聞かせをするうちに、一度は挑戦してみないと、と思い購入したのが本作です。
読み始めて自分でもびっくり!あれだけ入りにくいと感じていた世界が、詩を読み進めているかのように広がっていきます。それどころか、自分も銀河鉄道の乗客になって、車窓から、停車場から降りて、その風景、世界を楽しんでいるかのように錯覚してしまいます。話が賢治独特の文章で分かりにくいのはそのままですが、それを絵が補って世界を構築しており、「銀河鉄道の夜」ってこんな作品なんだ、というのがすんなり入ってきます。
子どもに読み聞かせて理解してもらう自信は持てませんし、自分自身もストーリーは理解できませんが、「大人の詩世界」として楽しんでみると、実に魅力的な本だと思いました。