これまで絵本を手にすることのなかった人に、どのように手渡ししてあげればいいだろうか。
絵本に縁遠かったオジサン達に、とても素敵で多彩な奥深い世界をぜひとも知っていただきたいから。
そのためにはやはり、読んで語りかけてみるのが一番でしょうか。
確信したのはこの作品に出会ったからです。
題名から受ける印象よりもずっと大きくて豊かな絵本でした。
春から夏へ、そしておおきなおおきな秋から冬へとゆっくりと流れて、景色も移ろいながらまたはじめにかえって、続いてゆく。
大変な出来事はないかもしれませんが、生きてきたことは確かなことです。
人生を重ねてきた人には素直に入り込めるかもしれません。
構えて読まなくてもいい。
うまく読み解こうとしなくてもいい。
手にとって、自分でもう一度読み返したくなってくれればそれでいい。
絵本を手にするという自由をおじさんに。