温存してきた一冊を、6歳近くの孫娘に。
手にするなり、身じろぎもせず、一気に一人読みしてしまいました。
つづいて手にした私に、「ここと(このページと)ここは(このページは)、(絵が)同じだよ」と教えてくれました。
そうです。両方とも、こぶたが実に幸せそうどろんこに沈んでいくところです。
前のページは、こぶたがどろんこにしずむのが大好きだと紹介するところ、後のページは、こぶたが大ぼうけんのあとに、おひゃくしょうさんの理解も得られて、満足そうにしずかにしずんでいくエンディング。
しかし、よく見ると、後のページのこぶたの方がよりひかって見えます。
多分、孫娘も、うまく表現は出来なくても、「形は似ているけど違うんだよね」と、思っていることでしょう。
大ぼうけんの後の余韻と、大好きなことが認められたという二重の満足感と安らぎ。
大げさにいえば、こども(ひと)がどのような体験と環境の中で、豊かなこころの成長を遂げるか、示唆しているようにも感じます。
ストーリーも絵も見事。ロングセラーも頷けますね。