中国の昔話です。むかし むかし、とらとねこは、山の中で暮らしていました。そのころのとらは、今と違ってとてものろまで獲物をとるのが下手でした。ねこは、とらと違ってとてもすばしこくて獲物を捕まえるのが上手でした。それで、ねこに頼み込んで獲物の捕まえる技を学ぶことに成功したとらでした。とらは、ねこから学んだにも関わらず、”いったい ねこというものがーーーどんなあじがするのかってね!」と叫ぶとねこに飛び掛ってたべようとしたのです。大慌てでねこは逃げて木の上に登って助かりました。”高い木に登る方法”を教えるのを忘れていたから、ねこは助かったのです。そんなわけで、とらは今でも高い木に登ることが出来ないんです。とらは、今もねこを探して深い森の中を歩きまわっていて、ねこは、とらを恐れてとらに近づかない人間の家で暮らすようになったということです。ねこは、とても優しくて親切なんですね。