小さなかわいい軽い絵本です。1歳前でも手に取れそう。中は見開きで右に絵が描かれ、左に語りが平仮名で書かれる。8枚16ページ。
中表紙は、小さな家の屋根に猫1匹のシルエット。闇でほとんど見えない。1枚ページをめくると、あら不思議、今にも出てくる隠れたお月様の光が家と猫2匹の輪郭線を逆光効果で浮かび上がらせる。このすてきなテクニックが観るものの心をつかむ。<逆光の美しさと不思議>がこの絵本のテーマでしょうか。
月の出の直前にこの家の親子が帰宅したのか照明が点き、物語が始まる。
語り手は家の中の子供でもあり、屋根の上の猫のようでもある。
月が出て「こんばんは」となる。
<ネタバレ>後半、雲が左から右に流れてくる。
語り手は雲が邪魔、お月様も泣くという。全部隠れて、また出てくると、
雲は「ちょっと おつきさまと おはなし してたんだ」という。
最後のページ、「あー よかった」「おつきさまこんばんは」
雲が出てきてお月様が泣きそうになるのは、読者から見えなくなることじゃなくて、雲の話が悲しかったからかも知れない。雲と親友だったのか。
おつきさまの満面の笑顔。
猫の親子が屋根上から
「こんばんは」
人の母子も外に出てきて
「こんばんは」
(スカートはいているから母とは限らないけれど)
表紙はお目覚め前のお月様、本を裏にひっくり返すと…なんと舌だすお月様、指が無いからアッカンベーはできないけど、
舌だけでアッカンベー
こりゃ最高!
この絵本、開かなくても、いないいないバーとアッカんべーで遊べる。