読み終わって最初の感想は「なんでみんなに教えなかったんだろう」でした。
絵本にも書いてあるように、本物のかいじゅうのうろこを見せたら、みんなから引っ張りだこだし、人気者になっただろうに……
何度か絵本を読んでみて、何でだろう…と考えて、三つの答えが出ました。
一つ目は、みんなの夢を壊したくないから。
かいじゅうのことを想像して、いるのかな、いないのかな、と会話をする人々の表情を思い出すと、言い出すことが出来なかったのかな…と。
二つ目は、みんなを怖がらせるから。
たくさんの人が平和に暮らしている街に、かいじゅうがいると言って不安をあおりたくなかったのかな…と。
三つ目は、怪獣を守りたかったから。
人々を傷つけたわけではなく、人と離れて暮らしているかいじゅうのことをわざわざみんなに教えて、かいじゅうの暮らす場所を奪いたくなかったのかな…と。
ほかにも、読む人によって、いろんな答えを見つけられる絵本だと思います。
子どもと一緒に読んで、「なんでかな」と一緒に吟味するのも楽しそうです。