やさしくておとなしい、しろいぞうのこ、しろくん。
みんなと同じように、かけっこやおしゃべりが上手にできないしろくん。
そんなしろくんが、へんなにおいがする、きっと火事だと、森のみんなに危険を知らせます。
森のみんなが逃げる中、逃げ遅れたしろくん。しろくんを助けようと、命をかけて守ってくれたおかあさん…。
悲しくも優しく、愛に溢れた温かな作品です。
子どもたちに、優しく教え導く村長さんや、命をかけて子どもを守るおかあさんぞうの姿を通して、大人としての責任や在り方を、示してくださっているように思います。そして、そんな大人に導かれ、子どもたちは、違いを認め、個性を尊重し、助けあって生きることの素晴らしさを学んでいくのだと。
村長さんの優しい言葉に触れると、在りし日の加古先生のお姿と重なり、胸が熱くなります。
天国から加古先生が、今日も優しく子どもたちの姿を見つめながら、
「やあやあ げんきに あそんでいるね。」「よしよし みんな なかよくな。」と声をかけてくださっているような気がします。
「こどもさんたちのために」と、生涯をかけて作品を届け続けてくださった加古先生。これからも、多くの子どもたちが、かこせんせいの作品に出会えて、心豊かに育ってくれますように。