山の新鮮な空気がスーッと入りこんできて、気持ちが柔らかくなり胸が広がっていくような絵本でした。明るく降り注ぐ日の光も印象的です。
土地に根付いた人々の暮らしは、そこの人にとって かけがえのない大事なものだということが伝わってきました。生まれたところ、住んでいるところが大好きって素晴らしい。そこには愛があります。いただいた愛、自分の中から湧き出る愛。
そして、生まれた時から共に成長してきた兄弟のような木は、その子の喜びも悲しみも、今までのすべてを知っているのです。心の根っこがこんな風に繋がっている場所があれば、長い人生の中で、どんなことがあっても、しっかりと生きていける・・・と、そんな風に感じました。
文章を読んでいると、それはまるで歌のよう。ギターの音と共に、時に賑やかに楽しく、時にゆっくりと静かに、弾き語りの歌が聞こえくるようでした。そういえば、チロルくん、ずっとギターと一緒ですよね!そうか〜、聞こえてきた歌は、チロルくんが歌っていたのですね。