縄文時代から第二次世界大戦、現代までの日本の食事をダイジェストで見られる画期的な絵本。
当時の材料は手に入らないものもあるので、イノシシの肉を豚肉で代用するなどして、おおよそ当時のお料理に近いものが家庭で再現できるレシピ付き。時代の流れと、地理(特産品の由来、流通のしくみなど)、料理も一気に学べる。読者が体験できるところや、考えさせられるところが多いので、読み応え・遊び応えがあると思う。
ただし、現代の食材・人々の体の使い方(働き方・暮らし方)、気候、文化背景などが当然、昔とは違ってきているので、全く同じものを体験できるわけではない。だから「昔の人は質素な食事でたくさん働いて…」と思いがちだが、実は昔の人の方がそもそも体をよく使うので強く逞しく、食品や環境の汚染がないので質のよい材料や水を使っていただろうし、食べるときの気持ちなどもまるで違っていたはず。
実は今私たちが食べている食事よりも、縄文時代の人たちが食べていた食事のほうが、質は遥かに高いのかも知れないと、私は思っている。
そんなマニアックな見方も楽しいが、ふつうに楽しめるので、歴史が苦手な人や、料理が苦手な人も、大人も一度覗いてみるといい。年齢問わず楽しめる。