この昔話を読んで、主人公のマーヤの強さとともに、本土と沖縄の関係を感じました。
昔話だから、沖縄がまだ琉球王国として、独立した国だった頃のお話でしょう。
それでも日本と交流のあった琉球で、伝わってきた「さるかに合戦」と「桃太郎」が、このように改編されたような気がしました。
桃を育てたマーヤが、美味しい桃を猿に取られてしまい、仕返しに向かいます。
搾取される側が沖縄だとすれば、猿はどこでしょう。
マーヤが自ら行動する女性であることも何か象徴的です。
マーヤのさる退治に、はと、ハチ、臼、牛が加わりますが、マーヤ自身から働きかけるところには、マーヤの行動力を感じます。
それだけマーヤはたくましさの象徴でした。
沖縄返還50年に読んだからでしょうか、現在の国際情勢を憂いているならでしょうか、こんな深読みをしてしまいました。
めでたしめでたしで終わる昔話ですが、味わい深いお話です。
唐木みゆさんが沖永良部島に取材して、すくい上げた沖縄情緒を漲らせています。