拾ったチラシで温泉宿にある「黄金のライオン」を盗む気満々になったゾロリ一家の、愛と笑いと想定外の物語。
2000年刊行。シリーズ27作目。
子ども向けのミステリーとはいえ、なかなか油断ができない驚きの展開。とにかく読者を飽きさせないし、推理は強制参加で、巻末には本筋とは別のなぞなぞまで用意されており、何かと忙しい物語だ。
読者はぼんやりしていられないので、目ん玉を皿のようにしてページの隅々を眺めて、怪しいところを探しておかねばならない。
温泉宿で発生した盗難事件。当時、ちまたで流行っていた、テレビドラマの推理物:湯けむりサスペンス(私は殆ど見ていないが、パロディやギャグのネタにはよく使われていた)を下敷きに、愉快で楽しいギャグを連発。
私は大人向けのドロドロ劇よりも、こちらの方が好きだ。
是非とも本書を開いて、楽しんで欲しい。